でろでろ/押切蓮介 1〜3巻

『でろでろ』を最初に本屋で見た時、”ホラーギャグ”というジャンルが気になったのだが、その時はスルー。後にあの『怪奇大家族』のエンディングバックを描いた人だと知り、1巻を購入。
最初の印象はあまりいいものではなかった。しかし何度か読んでいると、微妙なズレ具合が面白くなってきた。幽霊や妖怪が普通に存在する日常で、その妖怪達に霊感体質の為、振り回される主人公・耳雄。そんな兄を冷めた目で見るポーカーフェイスな妹、留渦。主人公の次ぐらいに妖怪の被害をくらっているんじゃないだろうか、耳雄の親友・サイトーさん(犬)。そして耳雄の友人達とで繰り広げるドタバタを描いている漫画だ。
ここで注目すべき所は、主人公・耳雄のトラブル解決方法。この手の漫画では霊力やお札や聖水といった神聖なアイテムを使って妖怪退治! となるのだが『でろでろ』ではそうはいかない。耳雄が頼るもの、それは己の拳だ。つまり鉄拳制裁! たいがいの妖怪は耳雄の鉄拳一発で血反吐を吐き、涙する。なにそれ(笑)。

他にもツッコミどころ満載の『でろでろ』。かなり気に入っていて、手持ち無沙汰になるとつい読んでしまう。『でろでろ』はスプラッタ系の瞬間的な面白さではなく、サイコホラー系のじわりとくる面白さがあると思う。
それにしてもサイトーさんカワイすぎ! ギャイーン!! 

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